| 「だだちゃ豆」の暑い夏の数日 |
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お盆の十三日、浮かぬ顔をした加藤紘一代議士の秘書と一緒になった。
「どうした?」と聞くと、枝豆パーティーの件であった。この「だだちゃ豆」パーティーは、
加藤代議士が地元のうまい「だだちゃ豆」の味を、より多くの方々に知っていただこう
と、二十五年ほど前から毎年都内ホテルで開催しているものである。
昨年は、地元で茹で上げた豆を依頼元が冷凍したらしく不評で、今年の豆の準備に
秘書は苦慮していたのだ。 私が秘書だった頃の経験を話した結果、朝採りの「だだ
ちゃ豆」を保冷車で自ら運び、都内ホテルで茹でる破目になってしまった。
枝豆は朝採りのものと前日夕方まで採って宅配で送ったものの二種類にして、どちら
が美味いかを検証することにした。もう一点は、ホテルでの茹で方と特殊な鍋の存在
である。200ℓの沸騰した鍋に、15kgの枝豆を入れると温度が下がるが、それを僅か
十秒から十五秒の間に特殊な鍋で再び沸騰させ、一分三十秒から四十秒間で茹で
上げるのである。五つ星ホテルの厨房で、ど素人が経験豊かな板前に「ちょっと軟い
よ」などと偉そうに言ってしまったが、いやな顔一つせず黙々と作業を進めてくれたこ
とには大感謝であった。パーティーでの「だだちゃ豆」の評判は上場であったらしく、
特に朝採りの豆は好評だった様だ。
かつて、御巣鷹山の日航機事故のニュースを聞きながら枝豆を運んだことが蘇って
来たが、同時に評価を得ることは並大抵のことでは出来ないことを再認識させられた
暑い夏の数日であった。
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