ちょっとブレーク

No.22 2003.9.30
■ハルピン訪問
いつ、夏が終わったのか? そんな今年であった。山形県と友好県省を締結している黒龍江省、
締結十周年記念式典に参加してきた。「神は、人類に翼をお与えにならなかった」と一人合点し
ている飛行機アレルギーにとっては、相当な決意のもとでの旅立ちであったのだが・・・。
県議会からは四名、県職員、市町村関係者や県内経済人など、合わせて二十数人の出納長
を団長とする訪問団である。二泊三日と強行スケジュールであったが、熱烈な歓迎を受けた。
出納長は、友好県省十周年のお祝いを述べるとともに、今後のさらなる友好関係の促進を誓い、
最後にチチハル市の毒ガス事故へのお見舞いを申し上げ挨拶を締めくくった。
式典では、十周年の覚書への調印、貿易商談会会場になる国際展覧センターの視察、来年
度の貿易商談会についての協議などを行ってきた。
黒龍江省は、人口三千七百七十三万人、約四十七万平方キロの広大な面積を持つ。中国全
土に言えることだろうが、経済成長がめざましく、大プロジェクト事業をはじめ、いたる所でビル
建設が行われていた。 二日目は主要行事を済ませた後、ハルピン市郊外にある「 731部隊
罪証陳列館」を訪れた。731部隊本部跡地に、この陳列館はあった。係の方から説明を聞くに
連れ、全員が寡黙になり、終始俯きっぱなしであった。旧日本軍の細菌、化学兵器の研究施
設、そこでは民間人や捕虜を「丸太」と称し、人体実験が行われていたのである。おぞましさだ
けが、強烈に残った。
同行した寒河江山形新聞社論説委員長は、帰国後
紙面に“狂気の歴史を直視”と題し、コラムを掲載し
ていた。顔をそむけたくなる視察であったが、成熟し
た友好関係を進めるうえには、現実を率直に受け入
れ、乗り越えて行かなければならないのであると思う。